「毎月お金がもらえるなら、入らない理由なくない?」
そう思っていた時期が、私にもありました。
でも結論から言います。
会社員の多くにとって、就業不能保険は“なくても困らない可能性が高い”です。
私は実際に約20万円支払ったうえで、解約しました。
なぜそうなったのか。
リアルな体験ベースで話します。
就業不能保険は“めちゃくちゃ良く見える”
就業不能保険とは、
病気やケガで働けなくなったとき、
毎月給料のように給付金がもらえる保険です。
これ、冷静に考えなくても魅力的です。
- 働けなくても収入がある
- 長期療養でも安心
- 家族への負担も減る
正直、「最強の保険じゃん」と思いました。頭は完全にお花畑になっていました。
そしてすぐに加入。
完全に“いいところだけ見ていた状態”です。
私の実績(リアル)
- 加入:2013年11月
- 月額:2,250円
- 総支払額:約198,000円
- 結果:解約 2021年2月
今振り返ると、
**「安心を買ったつもりで、思考停止していた」**と感じています。
冷静になると見えてくる“3つの違和感”
すぐにお金はもらえない
「働けなくなったら即支給」
――そう思っていませんか?
実は、違います。
多くの場合、
30〜60日の“就業不能状態”が継続していることが支給条件です。
つまり──
4〜5日休んだ程度では、1円も受け取れません。
ここ、かなり見落とされがちなポイントです。
「いざという時の保険」のはずが、
“いざ”では使えないケースもある。
加入前に、必ず確認しておきたい部分です。
精神疾患はほぼ期待できない
うつ病などの精神疾患での給付は、
給付までは、想像以上にハードルが高いのが現実です。
たとえば、
・規定日数以上の入院が必要
・厳格な診断基準を満たすこと
など、条件はかなりシビアに設定されています。
その結果、
「対象にはなっているはずなのに、受け取れない」
――そんなケースも少なくありません。
近年は、精神疾患を理由に休職する人が増えています。
しかしその一方で、保険会社も無制限に給付を増やすわけではありません。
制度はあくまでビジネス。
収支のバランスを取るために、給付条件は慎重に設計されています。
会社員はすでに守られている
会社員にこの保険をおすすめしない。
ここは、見逃してはいけない重要ポイントです。
会社員には、すでに複数の保障があります。
・傷病手当金(給与の約2/3・最長1年6ヶ月)
・労災保険
・会社の福利厚生
・労働組合の支援
つまり――
就業不能リスクの“土台部分”は、すでにカバーされているということです。
この前提を知らずに保険を選ぶと、
「過剰な安心」にお金を払い続けることになります。
そして気づかないうちに、
大事な資産を削り続けてしまう。
これが一番もったいないパターンです。
だからこそ重要なのは、
“すでにある保障”を正しく理解すること。
そのうえで、
「それでも不安が残る部分だけを補う」
という考え方であれば、就業不能保険を検討する価値はあります。
保険の本質からズレている
保険って本来、
「確率は低いけど、起きたら人生が詰むリスク」
に備えるものです。
でも就業不能(会社員の場合)は、
- 発生確率:そこそこある
- 破壊力:制度で緩和される
この時点で、
“保険でカバーすべき領域”からズレています。
この保険は誰向けにジャストフィットするのか?
答えはシンプルです。
フリーランス
個人事業主
この人たちは、
働けなくなった瞬間、収入はゼロになります。
会社員のような傷病手当金もなければ、
手厚い福利厚生があるわけでもありません。
つまり――
リスクを“自分で丸ごと背負っている”状態です。
だからこそ、このケースでは
就業不能保険は有効な選択肢になります。
結論
会社員 → 基本的には不要なケースが多い
フリーランス → 検討する価値あり
そして、何より大切なのは――
「なんとなく不安」で入らないこと。
不安を理由に選ぶと、
本来いらない保障にお金を払い続けることになります。
大切なのは、
「自分にすでにある保障」と「足りない部分」を切り分けて考えること。
そのうえで、本当に必要な分だけ備える。
それが、保険との正しい向き合い方です。
労働組合役員である私からのメッセージ
保険は、安心を与えてくれます。
しかし同時に、思考停止を生む側面もあります。
だからこそ、いきなり加入を検討するのではなく、
まずは会社や労働組合に相談してみてください。
「就業不能になった場合、どんな支援があるのか?」
そして、実際に支援を受けた人の具体例も聞いてみる。
そのうえで、本当に必要だと思えたなら、
初めて保険を検討すればいいのです。
私は、その順番を間違えました。
その結果、20万円というコストを払うことになりました。
そのお金があれば、
リッツカールトンホテルに泊まることだってできたはずです(笑)
同じ遠回りをする人が、
ひとりでも減ることを願っています。
次回予告
次は、もっと闇が深いです。
「変額保険」――なぜ私はこれを一番嫌っているのか。

